明日も生きたい日記

うつ病と適応障害を患ったアヤセが明日生きたいと願うブログ

繋がりたいけど繋がりたくない

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 下の記事でも書いたけど、絶対に社会の役に立つ商品を思いついたのが8月4日の出来事で、結局ニーズはあってもそれを解決する商品を開発するお金が無いな~という結論になった。

 

ayase1988.hatenadiary.com

 

 その後、とりあえず企画書と収支計画書を書いて、ダメ元で会社の偉い人に提案してみた。そうしたら意外と好評で、新規商品開発の人たちと打ち合わせをしてみてはどうかと言われた。

 新規商品開発の人たちに話してみたら「これは面白いね」「確かにこれで多くの人は救われるだろう」とこれまた高評価を頂いたが、採算が取れないと手を付けるわけにはいかないという当たり前の指摘を受けた。しかし、気持ち的には前向きなのでしっかり調査してお盆明けにもう一度打合せをしましょう、こういうのはスピード感を持ってやっていきましょう、あなたが思いついたんだからあなた中心でやっていきましょう、ということになった。

 この私が思いついた商品はスマートフォンタブレットのアプリと、IoTのハードウェアとのセット商品なのだが、いかんせん文系の道をずっと進んできた私にはこの開発費用がいくら掛かるか分からない。一応収支計算書を作成する段階でグーグル先生に教えてもらって概算を出したが、グーグル先生に教えてもらった金額をもとに会社が動くのは危ないし、社員も偉い人も納得はしない。

 そこで餅は餅屋ということで、唯一のエンジニアの知り合いを呼び出した。彼は、フロントもバックエンドもウェブもアプリもなんでもござれの、最近はあまり聞かなくなったけれども、いわゆるフルスタックエンジニアさんだ。

 喫茶店に入って企画書を見せて色々説明すると、彼はふむふむと言って質問をいくつかしてくれた。それに「ここはこういう仕様にしたい」「ここはこういう料金体系にしたい」答えると、開発規模は〇人月かかって、今1人月が〇〇万円だから、だいたいこのくらいかなと答えてくれた。

 残念ながら、開発費用は私が作った収支計算書に記載された金額よりも遥かに莫大なもので、その時点でこの思いついた商品が世に出回ることは無くなった。もし仮に私に人望があって公益財団法人を作ってたくさんの協賛金を集められれば不可能ではないが、営利企業としてはまず不可能なものだった。

 この一連のやりとりで、やはり人と人の繋がりは大事だなと思った。お盆明けに会社の人に、こんなプロジェクトにアサインしているフルスタックエンジニアさんが見積ると……という風に話をすれば、きっと納得してくれるだろう。往々にして「誰が言ったか」が重要な場面は多い。

 餅は餅屋だし、人間ひとりができることなんかたかが知れている。

 今回の商品開発の件では私にできることといえばグーグル先生に聞いてパワーポイントの企画書とエクセルの収支計画書を作成するくらいなもので、普段の仕事の経理も分からないことは会計士に聞きながら進めている。うつ病に関することなんて心理士にお世話になりっぱなしだ。

 この先、何か良いことを思いついた時も、悪いことに出会ってしまった時も、私ひとりでは解決でいないことが出てくるかもしれない。その時、頼れる人がいるかいないか、とても大きなポイントだと思う。

 だから優秀な人と、いろいろな分野の人と、繋がっておくのは大事だなと今回の件で思うのであった。

 しかし、私は人付き合いが苦手だ。出会って、その関係を維持する、人と繋がることにかかる精神的コストは莫大だ。だから、病気になって色々な人とできるだけ距離をとって生きてきた。連絡を気軽に取れる友人も大分減ってしまった。私は今、とても狭い社会の中で生きている。狭い社会の中でないと生きていくことができない。

 一方で、先にも書いたように、人との繋がりは時に私を助けてくれることがある。人との繋がりは大きな資産だ。

 人との繋がりにも、精神エネルギーをたくさん必要とする繋がりと、そうでない繋がりがある。

 今回の商品開発の件で呼び出した彼は、以前勤めていた会社に中途で入った同期のひとりで、一緒に汗水流しながらプロジェクトを進めた仲だ。それぞれ今は違う道で仕事をしているけど、それが逆に良くて、貸し借りや営利的な繋がりではない。だから、精神的エネルギーを費やす必要がない。ありがたい。ツイッターでのつながりも、営利的な繋がりではないので同じく楽である。

 でもこの先、会社を大きくしていくにはきっと、取引先の人や同業他社の人と繋がっていかなければならない。これは営利目的、利害が絡む繋がりだから、膨大な精神的エネルギーを費やす。

 そもそも、こういう利害とか、駆け引きとか、そういうのが苦しくて営業職からドロップアウトしたのに、やはりこういう繋がりからは逃げられない運命なのだろうか。

 繋がりたいけど繋がりたくない。これが、うつ病を患ってからずっと抱えている葛藤だ。