明日も生きたい日記

うつ病と適応障害を患ったアヤセが明日生きたいと願うブログ

うつ病に効く〇〇

 うつ病を患って6年あまり、治したくて、藁にも縋る思いで、いろいろ試してきた。

 医師に処方してもらう抗うつ薬、鎮静剤、睡眠導入剤、それに心理士のカウンセリングに今は落ち着いている。

 「うつ病には筋トレが良いんです」という医師に従って、腕立て腹筋背筋を相当数毎日行っていた時期があった。体は確かにシュッとした。けれども鬱屈とした気分、抑うつ状態が無くなることは無かった。

 「毎日喫茶店に行って音楽を聞いてると良いんですよ」という医師に従って、しんどい体を引きずって毎日喫茶店やカフェに通ったこともあった。その時は休職中で、席でコーヒーを飲みながら音楽を聞いていると、周りの人間が気になる。ノートパソコンを広げて仕事をしているサラリーマンはどこの喫茶店にもいると思う。私はこれがしんどかった。そういう人を見ると、私は毎日喫茶店に来るだけで何も生産的なことをしていないな、同年代の友人たちはバリバリ働いているのに私は喫茶店に来るだけしかしてないな、そんなことばかりが頭の中をぐるぐる回ってしまって、ちっとも心休まらなかった。

 「うつ病には散歩が良いんですよ」という医師に従って、毎日仕事終わりに近くの大きい公園を30分から1時間ほど歩いた。当時は一度やめていたポケモンGOを再開した時だったので、音楽を聞きながらポケモンGOをして歩いた。その公園、ポケモンがよく出現する場所だったので、ほとんどスマホを見ながら歩いていた。これが、余計なことを考えなくて済んだので喫茶店と違って頭の中が空っぽになって良かった。加えて、時間とともに空が青から濃い群青へと変わっていき、春は柔らかな日差しを、夏は生い茂る緑を、秋は赤く染まった葉を、冬は凍てつく風を感じることができた。土の匂いも良い。自然を感じるのは私の精神には良かった。

 残念ながら引っ越して現在の家の近くにはそういう散歩できるような場所がなくて、住宅地なので歩いてもあまり楽しくない。ポケモンもあまり出ない。家の居心地は良いので、散歩ができないことだけが残念だ。

 「日記をつけて毎日の生活を記録しましょう」という医師に従って、簡単な日記をつけ始めた。その日行った仕事を1行。もし精神的な変調があれば、どんな感じがしたか。疲れていたり怠かったりすればその様子を。欠勤した日は、どんな症状で会社に行けなかったか。これ、2つ良い点があって、1つ目は書くことで消化されること。仕事とプライベートのオンオフが苦手な私にとって、この日記を書くことによって、その日の仕事はもう終わったことになる。書けばプライベートが手に入る。もう1つは、心理士とのカウンセリングの時に、私が何にダメージを受けているかを振り返って具体的な要因を探ることができる点だ。なぜこの日は欠勤してしまったんですかと問われると、その前日の記載を確認して、例えば重たい会議があって精神的に疲れていたとか、大声のクレームの電話をとってしまったからとか、そういう具体的な理由を見つけることができる。具体化ができれば対策が立てられる。カウンセリングではこのようにして日記を使ってPDCAを回して、色々な事象に私が適応できるように訓練している。

 「水素を吸って脳の炎症を抑えましょう」という医師には従わなかった。水素だぞ。火がつけば爆発するんだぞ。馬鹿にしてるのか?と思った。その医師は有名な漢方医の弟子らしくて、期待して行ったのだけれども、期待していたからこそ落胆も激しかった。医師曰く、私の脳はウイルスが入って炎症を起こしていて、それが自律神経を乱れさせ情緒を不安定にさせている、とのこと。血液検査とかではなく、鉄の棒を何回もこちらに向けただけでそれが分かるらしい。とりあえず4週間分の保険適用の漢方薬をもらって帰ってきた。ググったら夏バテに効く漢方らしい。とりあえず、お金を払ったからには4週間飲むけど、あまり期待していない。

 

 「うつ病に効く〇〇」という商品やサービスは世の中にたくさんある。エビデンスに基づいた医療行為や、自律神経を整えるマッサージや、神様のご加護を受けられる壺など、ピンからキリまで。神様を信じて治った人は、それはそれで良いと思う。でも、精神疾患の人は誰かに助けてもらいたくてたまらない日々を過ごしている。そこに付け込んで金を儲けようとする人間を私は許さない。